「理想と現実」

王子は、調理師を目指して専門学校に通っている。

高校生のころ、進路を決めるとなった時、

と言い、私は、何かやりたいことがあって就職するなら応援するが、勉強がしたくないという消極的な理由で就職するのは反対だったのでこの時期は親子喧嘩が絶えなかった。

私は王子が生まれてから色々彼の将来を妄想していた。

記憶力の良さから天才が生まれたと大喜びし、

海の生き物が好きだったので将来は『さかなクン』と一緒に『こざかな君』としてデビューするかも

とか色々夢見た。が、この能力は自分の好きなことのみに発揮されるようで勉強には全くと言っていいほどお披露目されなかった(笑)

成長するにつれ、元々彼は食べることが好きだし、文系の大学に進んでグルメ雑誌の編集者は?と思ったこともあったが、喋ることは好きなのに言葉を文章にするのがとても苦手。作文も夏休みの日記も3行で行き詰まっていたので私の心の中にしまった(笑)

しかし、高校で専門学校の体験授業があり、色々参加させてもらっていくうちに料理に興味を持ち始め、なんとなくだけど調理師専門学校へ行くことに決めた。(どこの学校にするか決める時も大揉めしたなぁ…)

入学後、学校は遠いけど休まず通うし、楽しそうに学校でのことを話してくれていた。学校は先生も優しいし、自分の分のみだが何時間もかけて作る。実技試験など大変なこともあるが毎日楽しそうに通っていた。しかし実際のお店での校外実習はかなりハードらしく

と毎日、燃え尽きたように疲れて帰ってくる(笑)

そんな日に私に出来ることは休める家を用意しておくこと。

食べることと喋ることが好きな王子は食事で復活する(笑)食べることは生きること。食事って大事。仕事は辛いかもしれないけど、食に関わる仕事は案外彼に向いているのでは?とも思う。

食後、改めて王子の話を聞く。

職場体験とはいえ、イベントのようなお客様扱いをされることはなく、実際にお客様に提供する料理を何十人分も作る現場で、お客さまに満足してもらえる料理を責任を持って提供する場所なので働く人たちもピリピリしていて怖いらしい。

私の勝手なイメージではあるが、調理師は職人気質で体育会系、体力勝負のイメージ。

王子はよく喋るし、友達作りにおいて全く心配のいらない子ではあるが、部活は運動部に所属していたこともあるけれど、世に言う『陰キャ』な性格なので、体育会系の雰囲気に心が折れないか心配だった。実際、学校では実習を経て退学者も出ている…。なので

と伝えた。元々、志高く、すごく調理師になりたくて入学したってわけでもないのに、学校まで遠い距離を休まず毎日通ってるだけでもすごいこと。それに夢を持ってその道に進んだとしても現実は違ってることもたくさんあると思う。だから調理師免許を持って別の道に進むのもまた面白いと思っている。

自分が社会人に近づけば近づくほど不安になっている様子。だったら家で手伝いも兼ねて料理の腕を磨いて不安を払拭すればいいのにとも思うのだけど、家ではマイペーーース。

学校が休みの前日は深夜の新聞配達の時間まで起きてゲーム。昼過ぎまで寝て、食事の時だけ現れて、散々喋ったら部屋に戻ってゲーム

腹も立つけど、心配するのも親というもの…。子どもはいくつになっても子どもだから元気でいてくれることが親の幸せ。私がサポートできる間はしてあげたいって思う。けどやっぱ散らかった部屋でダラダラしてると腹立つ(笑)人間だもの

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